KennyHeadway's miscellaneous notes

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電圧リファレンスでドンピシャの電源を作ってみる(その3)

精度がいいコストパフォーマンスがいい内容を再検討してみよう。今回作る回路は実際のプロジェクトにあわせて、絶縁電源をつくってからの内容になる。

回路の概要

  • トランスドライバIC MAX845ESA+T (Maxim)を使ってでトランスをスイッチングさせる。本当は、SN6501 (TI)を使用したいのだが部品入手難ということがありそうした。
  • トランスは760390012 (Wurth Electronik)のパルストランス。これは2.5kVの耐圧性能を持っている。巻き線比は1:1.1とされているので、5Vが5.5Vになる。
  • 絶縁電源を5Vに整えるのに、LDO TPS7A2050 (TI)を使った。
  • 5Vから-5Vをつくるのに、チャージポンプ IC NJW419M (JRC)を使った。ここも、本当は、TPS60403 (TI)を使いたいのだけれど部品入手難。今年はゲットできないというのだから困ったものだ。
  • オペアンプは、2回路のOPA2189 (TI)をチョイス。入力オフセット電圧が5uVと極めて小さいのが特徴。出力短絡電流も±65mA。
  • 電圧リファレンスは、REF4132 (TI)MCP1501 (Microchip) をチョイスした。
  • 固定抵抗は、±0.1%精度のものを使った。今回は、12kΩのものを使った。±2.5Vの電源のほかに、+2.0Vのリファレンス電圧も作りたかったので。12kを選択すれば、3kと分圧すれば2.0Vができる。

部品を基板に並べて配線

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今回の試作回路。

電圧リファレンス出力 (2.5V)の測定結果

REF4132

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REF4132の測定結果。平均値は2.500921V。3σが7uV。

MCP1501

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MCP1501の測定結果。平均値は2.500095V。3σは38uV。

購入価格は、アバウトに描くと、REF4132が300円程度。MCP1501は100円程度。

1000点ほどの分布をみると、REF4132の方がばらつきが小さい。MCP1501の方が2.5Vにより近いという結果が出た。DMMで測定してて思ったのが、REF4132の方が数字の変動が少ない。それに比べるとMCP1501の方が少し大きかったということである。

今回はREF4132を参照電圧として全体を測定した

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REF4132の2.5Vから、±2.5Vと+2.0Vを作ってみた。

概ねドンピシャ2.500Vが出ているといえる結果かな。ひとまず、このストーリーはこれでおしまいにしよう。