電圧リファレンスでドンピシャの電源を作ってみる(その1)
ドンピシャな電源が欲しい理由
電圧リファレンスICは、正確に電圧を出してくれる。ADコンバータでたとえば±2.5Vの電圧を電源供給して、この供給された電圧に基づいてアナログ値がデジタル値に変換されるのであれば、ドンピシャな電源を供給してあげた方が良いと思う。
既存のレギュレータICではダメなの?
決して、そういうわけではない。最近のLDO(low dropout) リニア・レギュレータは効率や性能が良いものがたくさん出ているし、いろいろ探して私がいいなと思ったレギュレータに以下のものがある。
正の電圧を出力するLDOはたくさんあるけれど、負の電圧を出力するLDOは限られている。精度は±1%以内の出力であれば概ね正確だと思えるかもしれないが、なぜか変に妥協したくないという気持ちが働いてしまった。
選択基準は、高精度、低ノイズ、今回の開発内容では低消費電力というところだ。
ただ、ADコンバータのビット数が16ビットよりも上24ビットのものを使うとなると、細かさは2の8乗となって256倍も細かくなる。そうなると、±1%以内(実質にはもっと良い精度であろう)としても微妙に差が後になって出てくるのではないかという気持ちが強くなる。
電圧リファレンスのデータシートがヒント
先日述べたADR4525のデータシートの図を見て、電圧リファレンスから出力された電圧をオペアンプを通せば正確な電圧が出てくるのではないかと思った。正の電圧の他に、反転して負の電圧も出している。ここで使用されている10kΩ抵抗を精度が0.1%のものを使えば、ある程度正確に出るという期待を持ってしまった。
ブーストする必要は?
電流を取り出すとなれば、トランジスタを使って電流増幅する方法が良いし、同データシートにも掲載されている。しかし負の電圧のブーストは、不勉強ですいません。現時点では私は分からない(しっかり授業を受けていればよかった(泣))。必要な電流は最大で10mA以下なので、オペアンプでドライブできればそれでいいのではないかと考えた。続きは次回