電圧リファレンスでドンピシャの電源を作ってみる(その2)
では作ってみよう
以下が回路の概要である。
- ACアダプタで直流5Vを供給する。
- 電圧リファレンスADR4525BRZ (Analog Devices)に5Vを入力し、2.5Vを出力する。
- オペアンプは、OPA192 (Texas Instruments)を使用した。
- オペアンプは両電源で駆動させるため、チャージポンプTPS60403 (Texas Instruments)で5Vから-5Vを作成した。
- 固定抵抗は10kΩ (0.05%, RG2012N-103-W-T1(Susumu))を使用した。
一度に作製したのではなく、まずは、電圧リファレンスだけを動作させた。変換基板は秋月電子で販売しているものを使用した。ADR4525は手元に8ピンの変換基板が無かったので16ピンのものを使用した。あと、ピンヘッダも。まだ、こうした変換基板があるから、こうして作ることができるのだけれど、なかったらホント大変。もっと言えば、最近は足が無い部品が多くなってきているので、足がある部品があるうちはありがたいとつくづく思う。
こともあろうに、煙を出してしまった
電源投入後いきなり煙が出てきた。ヤバい。これで死んでしまったか。なんてことを。極性を間違えて後悔。慌ててコネクタから電源を外したが、ADR4525は熱くなっていた。極性を正しくして恐る恐る電源を入れてDMA(VOAC7602)で出力電圧を測定したら、2.49843Vだった。煙が出たとしても精度は-0.0628%だ。これはこれで意図した回路を作っていく。オペアンプの選択は、また別に述べたいが、入力オフセット電圧が低いことと、短絡電流が使用するADコンバータの消費電流の5倍以上(勝手に決めているが)、あるいは十分能力があることを基準としている。そのほかには、温度変化の影響が少ないなどを考慮してひとまずOPA192を選んだ。
まとめると
基準電圧の値と、オペアンプから出力される電圧の値の絶対値は小数点第3位までは同じだったので、概ね精度が良く出ていることが判った。
ただ、この回路は、電圧リファレンスICが1個一千円程する(Digi-key)。また0.05%精度の抵抗も購入する数によるけれど、1個百円程する(Digi-key)。コストとパフォーマンスを検討すると、コストダウンしてそこそこ精度を出す内容を考えよう。この続きはまた。