KennyHeadway's miscellaneous notes

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ACE2とレスベラトロールの関係性

仕事上、視覚系の学術論文誌に目を通すことがあるけれど、コロナ渦でACE2というワードに反応して興味でどんな内容か見てみた(読むというレベルまでは至れない(泣)
)。タイトル:炎症を起こした角膜上皮細胞におけるACE2の発現はレスベラトロールによって抑制される  

iovs.arvojournals.org

 

冒頭部分をDeepLで翻訳

目的:眼球表面は重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の重要な感染経路と考えられている。SARS-CoV-2の受容体であるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)の発現レベルは,ウイルス感染に不可欠である。しかし、眼球表面におけるACE2の発現制御については、まだ不明である。我々は、炎症を起こした角膜上皮におけるACE2の発現の変化を明らかにし、眼表面でのACE2の発現を低下させる可能性のある薬剤を探索することを目的とした。

方法は以下の通り。ヒト角膜上皮細胞(HCECs)におけるSARS-CoV-2受容体であるACE2およびTMPRSS2の発現をqPCRおよびウェスタンブロッティングにより調べた。TNFαおよびIL-1β刺激したHCECおよび炎症を起こしたマウス角膜上皮におけるACE2の発現変化を評価し、HCECにおけるACE2の発現に対するレスベラトロールの効果を免疫蛍光法およびウェスタンブロット法により検出した。

結果は以下の通り。ACE2とTMPRSS2はヒト角膜上皮細胞に発現していた。ACE2の発現は、TNFαやIL-1βによる刺激や、ドライアイやアルカリ熱傷などの炎症を起こしたマウス角膜によって、HCECsでアップレギュレートされることがわかった。さらに、レスベラトロールは、HCECsにおいてTNFαによって誘導されるACE2の発現増加を抑制した。

結論としては 本研究では、ACE2がHCECsに高発現しており、炎症性サイトカインや炎症を起こしたマウス角膜上皮による刺激で発現が上昇することが明らかになった。レスベラトロールは、炎症を起こしている眼球表面でのACE2の発現増加を抑えることができるかもしれない。今回の研究から、炎症性眼表面を持つ患者はACE2の発現が高く、SARS-CoV-2感染のリスクが高まる可能性が示唆された。

思ったこと

ACE2にSARS-CoV-2のスパイクがくっついて体内に取り込まれるという話はよく聞く。またACE2は肺の細胞にもあるので、感染すると肺炎になるようなことも、以下のサイトからそう認識しはじめた。

www.igakuken.or.jp

www.igakuken.or.jp

この論文を読んで思ったのは、

  • 角膜にもACE2の存在してSARS-CoV-2に感染するということがあるんだなということ。特に炎症を起こしている角膜は感染しやすい傾向があるのかなということ。
  • ACE2は数が増えたり減ったりする傾向があること。
  • レスベラトロールポリフェノール、抗酸化物質の一種であること。
  • この論文ではレスベラトロールが角膜上のACE2の発現を抑制することを示唆すること。
  • ポリフェノール、抗酸化物質は感染症対策に有用とされるので、日々こうした成分を含む食品を摂取して感染リスクを低くすることが大事だということ。

などである。